初心者にもおすすめできるビレイデバイス BD ATC パイロット

発売時期を約一年延長してついに発売

BlackDiamond ATC Pilot(ブラックダイヤモンド ATC パイロット)が日本でも購入できるようになりました。アメリカで先行発売しておりましたが、日本でも購入できるところが増えてきました。

昨年末からAmazonや楽天で購入ができていましたが、BlackDiamondの日本正規代理店のロストアローでも購入できるようになりました。



その他ビレイデバイスに関してこちらを参考にしてください



ATCと同じ動作でロープの繰り出し可能なブレーキアシスト付きのビレイデバイス

結論から言えば、初心者が最初に購入するビレイデバイスとして一番おススメできる製品です。マルチやアイスクライミングをやらないクライマーであれば、このデバイス購入するだけで、他のデバイスの購入必要ないのではないかというぐらい良い製品だと思います。

その理由を順番に説明していきますね。


理由1:価格が安い

BlackDiamond ATC Pilotの魅力は価格。正規代理店のロストアローオンラインショップでの正規価格でも¥4,860 (税込)【2018/01/03現在】。

ほぼ同形状で機能も同じなSALEWA ERGOはカラビナ付きで10,260円(税込み)【2018/01/03現在】カラビナの価格が3,000円ぐらいですから実質7,000円ぐらいでしょうか。

【ラブジアース】サレワ(SALEWA)のセルフ・ロック・ビレイ器 エルゴ・ビレイ・システム(ERGO belay system) インプレッション - あるまこ~

クライミングのビレイデバイス(確保器・下降器)は、ATC、ルベルソ、エイト環、ジジ等、多くの製品があり、使い勝手、デザイン、カラー、ブレーキの効き具合、対応ロープ径等、製品によって、それぞれ特徴があります。セルフ・ロック・ビレイ器としては、ペツルのグリグリが長い間、その代名詞として存在していましたが、それ以外として、サレワのエルゴ・ビレイ・システム(ERGObelaysystem)があります。インドアのクライミングジム、外岩で実際に使ったインプレッションをご紹介します。サレワ(SALEWA)のエルゴ・ビレイ・システム(ERGObelaysystem)の詳細、ご購入はこちらのページから。1.構造がシンプルビレイ器として、本体と側面をリベットで止めているシンプルな構造です。シンプルと言うことは、使い方も難しくなく、...【ラブジアース】サレワ(SALEWA)のセルフ・ロック・ビレイ器エルゴ・ビレイ・システム(ERGObelaysystem)インプレッション

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SALEWA ERGOに比べても2,000円ほど安いですし、Petzl Gligli+と比べると1万円近く安いですからコストパフォーマンスで考えるととってもお得!さすがBlackDiamondと言ったところです。


理由2:ロープの繰り出しがスムーズ

ブレーキアシスト付きビレイデバイスを購入する時、正直トップロープをするだけなら、どのメーカーのどの製品を購入してもそれほど大きな差はないと思っています。

重要なのは、リードのビレイ時にどれだけクライマーにストレスなく登ってもらえるかどうかだと思います。ブレーキアシスト付きビレイデバイスの場合、クライマーが急に登りだしたり、とっさにロープを手繰ろうとすると、ブレーキアシストが機能してロープが止まってしまったりします。

ATC Pilotは写真のように親指をフックに掛けることで、ブレーキアシストを作動させることなくロープを繰り出すことができます。Petzl Gligliではロープ繰り出し時にはガンのような持ち方にして親指でブレーキアシストがかかるのを止める必要があり、やや通常ATCとは違った操作方法が求められていましたが、ATC Pilotはより普通のATCに近いカタチでの操作感でスムーズがロープ繰り出しができました。


理由3:軽い(86g)

クライミングにおいて軽さは絶対的な正義。

Petzl Gligli2は重量170g、Petzl Gligli+は重量200g、CTクリックアップは重量115gほぼ同じ形状機能のSALEWA ERGOは76gと更に軽量なので、究極の軽量を求めるのであればSALEWA ERGOの方が優れていますが、ヌンチャクとは異なりそう何本も装備するデバイスではないので、それほどこだわる部分ではないと思います。


理由4:ATCと操作性が同じ(取付ミスが少ない)

ブレーキアシスト付きのビレイデバイスが普及しはじめた頃、その機能を「オートロック」と説明している場合がありました。本来ブレーキアシストが付いていようが付いていまいが、いかなる場合も制動手をロープから放すなんてことはあってはならないのですが、ロープの取り付け方向を間違えた状態で制動手を放してしまいグランドフォールするという事故が発生したそうです。

ブレーキアシストという機能は便利ですが、ロープの取り付け方向を間違えると機能しません。取り付け方向を間違えにくいというのは、それだけでひとつの大きなメリットだと思います。


理由5:フォール時の衝撃が比較的なめらか

使用するロープの径やカラビナの形状にもよる部分も大きいかもしれませんが、ATC PilotはGligiliクライミングテクノロジーのクリックアップと比較するとクライマーがフォール時自然とダイナミックビレイ状態になってくれる感じが大きい気がします(あくまで個人的感想)。ガツンと止まることなく滑らかに止まってくれることは、支点への荷重を減らし支点崩壊の危険性を低減してくれるので重要なポイントですね。

逆に言えば、ブレーキアシストが機能している状態でも若干ロープが流れてしまいます。落石や突発的発作によって制動手を放してしまうような場合、一気にグランドフォールという状況にはなりませんが、徐々に降下するような気がします。そういった意味でも、ATC Pilotに搭載されているブレーキアシストはあくまでブレーキアシストなんだと強く思わせてくれるデバイスです。



三拍子そろったビレイデバイスで初心者にもおすすめ

ここまで初心者が最初に購入するビレイデバイスとしてBlackDiamond ATC Pilotをおススメする理由を5つご紹介してきました。

ビレイはパートナーであるクライマーの命を守る大切な道具です。自分自身の責任で、自身の命を失うことはある意味自業自得なのですが、パートナーである他人を自分の過失で亡くしてしまったら、それは自分自身が死ぬことよりも重い十字架を背負うことになります。

これまでビレイ講習では「まずATCを使って、ビレイデバイスの基本を十分に身に付けてから、ブレーキアシスト付きデバイスを購入しましょう」と教えていました。これは、ブレーキアシスト付きビレイデバイスが比較的機構が複雑であったり、取り付け方向を誤りやすかったこと、そして初心者がブレーキアシストを「オートロック」と誤認してしまうことを防ぐため、まずは基本のバケツ型ATCで勉強しましょうという教えでした。

今回登場したBlackDiamond ATC Pilotはそのあたりの問題を改善し、初心者でも使いやすく、購入しやすい設計になっていると思います。

初心者であるからこそブレーキアシストによって危険回避できることもたくさんあるでしょう。また正しい使用方法を熟知していたとしても、落石や突然の発作など制動手を放してしまう可能性はいかなる場合も存在します。

BlackDiamond ATC Pilotはそんな状況下でも威力を発揮してくれる頼もしいデバイスだと思います。

おまけ

使ってみて思うこと・・・

  1. ループ部分がプラスチックなので踏んだら割れそう。その点ではSALEWA ERGOの方が信頼度が高いですね。(踏んで割れたとしても使用はできるのですが、カラビナに取り付けることができなくなってしまいますね)
  2. 親指を掛ける部分もSALEWA ERGOの方が引っかかりが良い気が(あくまで個人的感想で人それぞれだとは思います)
  3. SALEWA ERGOよりも後発なんだから、10gほどより軽量であって欲しかった(あくまで願望です)
  4. 適応ロープ径が広いですが、ロープ径だけでなく表皮の形状、そしてカラビナ形状によってかなり摩擦係数が変わる(どのデバイスでもそうですが相性あります)こ

このような感じでまったく不満がないわけではないですが、とても良いデバイスだと思います。

Climbing in China seen from Japan

I will introduce the situation of climbing in China as seen from Japanese working in Shanghai. There are famous climbing spots in China, including Guilin and the world in China.

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